南方系昆虫のアカギカメムシを確認しました

浦幌町文化財保護審議委員を務められている、豊北の吉田水十華さんが、8月下旬にご自宅で「アカギカメムシ」を確認され、博物館に情報を寄せてくださいました。


本種は元来、南西諸島などに生息する南方系の昆虫ですが、近年北海道でも確認が相次いでおり、2020年現在の確認状況を、北海道博物館の堀繁久学芸員と漂着物学会の野村昭英氏がまとておられます。
(北海道博物館研究紀要第6号pp.1-10、2021)
https://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/wp-content/uploads/2021/04/bulletin_HM_vol6_01_p001_010.pdf

しかし、この時点ではいずれも日本海側からの確認で、太平洋側からの確認がありませんでした。今回の吉田さんの確認は、2021年以後、道東にも本種が飛来している可能性を示しているもので、貴重な分布記録になります。


残念ながら標本が採集できなかったため、参考記録のような形になりますが、次号の浦幌町立博物館紀要に記録として発表したいと考えています。
十勝地方で写真のようなカメムシを見かけたら、ぜひ採集して浦幌町立博物館までお寄せください。

なお、本種の写真同定にあたり、北海道博物館の堀繁久学芸員にご協力いただきました。ありがとうございました。

写真は、今年8月、いったん確保したものの逃げられてしまったアカギカメムシ(吉田水十華さん撮影)です。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る