【終了】植物学の日記念講座「親木の下で同種が育たないとしたら〜植物界における独占禁止法」のお知らせ

毎年4月24日は「植物学の日」。
日本の偉大な植物学者、牧野富太郎の誕生日が「植物学の日」として定められています。

浦幌町立博物館では、植物学の日を記念して、毎年この時期に植物に関する博物館講座を開催しています。
今年は、元帯広畜産大学教授で、現在は十勝植物の会代表を務めている紺野康夫先生を講師にお招きして、下記のとおり講演会を開催します。

植物学の日記念講座「親木の下で同種が育たないとしたら〜植物界における独占禁止法」

 親木の下には、その木の子供が一番多く育つに違いない。なぜなら、その木の下に落ちる種子は、圧倒的にその木が成らせた種子が多いからである。
 ところが、熱帯林では「その木の子供が沢山育ち、他種の子供は少ない、などということはない」とする主張が、ジャンセンとコンネルによって、1970年の始めに一つの仮説として提出された。彼らによれば、だから熱帯林は多様な樹種が育つ、と言うわけである。
 彼らの仮説から予想されるのは、こんなことである。もし、同じ種の木の下に、同種の子が育たないとするならば、ある種が、親木として今占めている場所は、次世代ではその種ではなく、別の種の親木が占めることになる。
 すると、その場所では世代間の樹種の置き換わりが起きる事になり、これがその森林のあらゆる場所で起きれば、少数の種によって森林が独占されることがなくなる。彼らは、これが熱帯林に多くの樹木が共存出来る理由なのだのだ、と言うのである。本当だろうか。そのことを実証する研究が1970年以降、なされてきた。
 彼らは熱帯ではこうである、と言っている。では、温帯の日本ではどうだろうか?今回は、東北の落葉樹林で調べられた研究と、私たちが帯広のヤチダモ、ハルニレ、ハンノキ林で調べた研究を紹介することにする。これらの研究は、植物界における、独占禁止法を調べる事でもある。

▶講師

紺野康夫(十勝植物の会代表・元帯広畜産大学教授)

▶日時・場所

2025年4月19日(土)14:00〜15:30
浦幌町立博物館 展示室

※入場無料・申込不要

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