博物館の調査研究

浦幌町立博物館では、浦幌町を中心とする北海道東十勝地方と、釧路地方との境界線となっている白糠丘陵一帯の、歴史・文化・自然に関する資料を集めて、調査研究を続けています。資料収集は、浦幌町民をはじめとする地域の方や、地域を研究する研究者の方からご提供いただいたものが大半を占めています。

このほか、学芸員1名を配置して、毎年地域に関する資料の採集や、研究テーマに沿った資料収集を実施しています。

北海道博物館の学芸員によるK–Pg境界の地層剥ぎ取り標本製作(2022年10月24-26日)

【浦幌炭鉱についての聞き取り調査】

2024年10月13日(日)。子供の頃に浦幌炭鉱にお住まいだった山本義一さん(現在は札幌市清田在住。お父さんは山本英一さん)が来館され、当時の炭山地区の様子についてお話ししてくださいました。
これまでに無かった証言として、上流の美好町の長屋と火葬場の話がありました。特に火葬場についてはこれまで入手している資料にも記載が無く、また下流の栄町付近に火葬側があったという証言がありました。
・常室川の支流に沿って「馬車が通れるくらいの細い道」があった」。
・道の角には共同風呂があってよく利用した。
・共同風呂の裏手に2軒長屋が何軒もあって、そこで生まれた。当時の番地は浦幌村で249番地。
・馬車で通れるくらい細い道の奥に、赤い三角屋根の火葬場があった。誰かが亡くなると、夏は馬車、冬は馬橇を霊柩車にして棺を運んだ。荷台には少し装飾があったように思う。煙突から煙りが出ているのをよく眺めた。
・帯広から汽車や尺浦隧道を乗り継いで21時すぎに家族で帰宅したときも共同風呂は動いていて入った。そのときは誰もいなくてガラーンとしていた。
・炭山地区にはお東さんのお寺があって、姉(山本照美さん)はお寺で七五三をした。その写真がまだ残っている。
この七五三の話も興味深く、近いうちにお姉さんにも聞き取りを実施し、写真も拝見する予定です。
今回の聞き取りに関連する証言や写真等がありましたら、ぜひお寄せください。

浦幌の生活文化史調査を実施

学芸員室での聞き取りの様子(2023年2月2日)

1月31日から2月3日にかけて、浦幌町立博物館では、北海道博物館の尾曲香織学芸員と合同で、浦幌の生活文化史に関する聞き取り調査を実施しました。今回の主な調査の内容は下記のとおりです。

調査は今後も継続して実施いたします。
これらのテーマについて、関連する写真などをお持ちの方や、聞き取り調査にご協力くださる方は、博物館までご連絡いただけましたら幸いです。

・「ガンガン部隊」などと呼ばれる、列車を利用した行商人について。行商人を見たことがある、行商人が家に来ていた時代がある、行商人をしていた方を知っているなど。
・浦幌の昔の結婚式のようすについて
・浦幌の昔のお葬式のようすについて

※この調査は、〔【科学研究費補助金基盤研究】戦後北海道における女性の海産物行商と地域社会:「ガンガン部隊」の民俗史的研究〕の一環で実施しています。

【「元旦に食べたもの」調査】

現代人のお正月の姿を記録に残そうという試みで、浦幌町立博物館では「元旦に食べたもの」の写真を募集しています。
詳しくは下記の「おしらせ」をご覧下さい。

学芸員の調査研究

当館学芸員の研究成果につきましては、科学技術振興機構のResearchmapをご覧ください。

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